免許証や卒業証書に書かれた和暦を西暦に直したい——そんなとき、スマホで調べ直している方は多いのではないでしょうか。
実は変換そのものは足し算ひとつで済みます。ただし、これだけでは足りない年が存在します。改元があった年です。
元号を定めているのは2項だけの法律
そもそも元号は、法律で決められています。「元号法」という、驚くほど短い法律です。
1 元号は、政令で定める。
2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。
本則はこれだけです。
1項が「元号は政令で決める」、2項が一世一元——天皇の代替わりのときにだけ改元する、という定めです。かつては天災や吉事でも改元されていましたが、現在はこの2項によって代替わりのときに限られています。
なお附則には「昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする」と書かれています。元号法ができたのは昭和54年(1979年)で、昭和はそれ以前から使われていたため、後から法的な裏づけを与えたというかたちです。
改元日も政令で決まる
実際の改元は、元号法1項にもとづく政令で行われます。令和への改元はこの政令でした。
元号を令和に改める。
附 則 この政令は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法……の施行の日(平成三十一年四月三十日)の翌日から施行する。
「4月30日の翌日から」なので、令和元年は2019年5月1日から始まります。
平成への改元も同じ形式で、「元号を平成に改める」という政令が公布の日の翌日から施行され、平成元年は1989年1月8日からでした。
変換は足し算ひとつ
和暦から西暦への変換は、元号ごとに決まった数を足すだけです。
| 元号 | 足す数 | 例 |
|---|---|---|
| 令和 | +2018 | 令和8年 → 2026年 |
| 平成 | +1988 | 平成31年 → 2019年 |
| 昭和 | +1925 | 昭和64年 → 1989年 |
| 大正 | +1911 | 大正15年 → 1926年 |
| 明治 | +1867 | 明治45年 → 1912年 |
足す数は「元年の西暦から1を引いた数」です。令和元年が2019年なので2018、平成元年が1989年なので1988、という具合です。この関係さえ覚えておけば、表を忘れても組み立て直せます。
西暦から和暦に直したいときは、逆に引き算します(2026 − 2018 = 令和8年)。
覚えやすい語呂
よく使う昭和と平成には、覚え方があります。
- 昭和は25を足して1900を足す(+1925)
- 平成は12を引いて2000を足す(+1988)
平成のほうは「平成31年 − 12 = 19」→「2019年」というように、下2桁の引き算で処理できるので暗算に向いています。
落とし穴は「改元があった年」
ここからが本題です。上の変換表は年単位の対応でしかありません。
改元があった年は、1つの西暦年に2つの元号が存在します。
| 西暦 | 前の元号 | 後の元号 |
|---|---|---|
| 1989年 | 昭和64年(1月1日〜1月7日) | 平成元年(1月8日〜) |
| 2019年 | 平成31年(1月1日〜4月30日) | 令和元年(5月1日〜) |
たとえば「平成31年生まれ」と「令和元年生まれ」は、どちらも2019年生まれです。同様に「昭和64年生まれ」と「平成元年生まれ」は、どちらも1989年生まれになります。
このため、次のような点に注意が必要です。
- 昭和64年は1月7日までしか存在しない(1週間しかない)
- 平成31年は4月30日までしか存在しない
- 「平成31年12月」のような日付は存在しない
書類に書かれた和暦を西暦に直すときは、年だけでなく月日まで見ることが大切です。逆に西暦から和暦に直す場合も、1989年と2019年だけは月日を確認しないと元号が確定しません。
年齢の計算に使うとき
生年月日を和暦で記憶している場合、年齢を調べるにはまず西暦に直す必要があります。
このサイトのぱぱっと年齢計算は西暦での入力にのみ対応しています。和暦しか分からないときは、ぱぱっと和暦西暦変換で西暦に直してからご利用ください。年齢計算の対応範囲は1900年〜2100年で、和暦でいうと明治33年ごろから令和82年ごろまでにあたります。
満年齢の数え方そのものについては満年齢と数え年の違いもあわせてご覧ください。
まとめ
- 元号は元号法(本則2項のみ)にもとづき、政令で定められる。改元は皇位の継承があった場合に限られる(一世一元)
- 変換は足し算ひとつ。足す数は「元年の西暦 − 1」(令和+2018/平成+1988/昭和+1925)
- 改元があった年は1つの西暦年に2つの元号がある。1989年(昭和64年・平成元年)と2019年(平成31年・令和元年)
- 昭和64年は1月7日まで、平成31年は4月30日までしか存在しない
- 書類の和暦を変換するときは、年だけでなく月日まで確認する
和暦と西暦の変換そのものはぱぱっと和暦西暦変換でぱぱっとできます(改元があった年は両方の元号を表示します)。年齢や経過日数の計算はぱぱっと年齢計算でご利用ください(入力は西暦です)。
なお、明治・大正への改元については、当時の暦(太陰太陽暦から太陽暦への切り替え)が関係するため、日付単位の厳密な取り扱いは本記事の範囲を超えます。正確な日付が必要な場合は、公的機関の資料をご確認ください。