七五三や厄年の案内で「数え年で」と書かれていて、自分の子どもや自分が該当するのかどうか戸惑った——という場面は珍しくありません。

ふだん使っている年齢(満年齢)と数え年は、数え方の考え方そのものが違います。しかも時期によって差が1歳になったり2歳になったりするため、単純に「数え年は1つ上」と覚えていると間違えることがあります。

数え年の数え方

数え年のルールは2つだけです。

  1. 生まれた時点で1歳とする(0歳という状態が存在しない)
  2. 元日(1月1日)に全員が1つ増える(誕生日は関係ない)

満年齢が「誕生日を迎えるたびに1つ増える」個人ごとの数え方であるのに対して、数え年は全員がいっせいに年を取る数え方です。

満年齢との差は1歳か2歳になる

この2つのルールから、満年齢との差は次のように変わります。

時期 数え年
その年の誕生日を迎える前 満年齢 +2
その年の誕生日を迎えた後 満年齢 +1

具体例で確認します。2026年8月6日時点で考えてみましょう。

  • 2020年5月10日生まれ(今年の誕生日を迎えている)→ 満6歳・数え7歳
  • 2020年12月10日生まれ(今年の誕生日はまだ)→ 満5歳・数え7歳

生まれた年が同じなら、数え年は同じになります。数え年は「生まれた年から何回目の年か」を表しているためです。

極端なのは12月31日生まれで、生まれた日が数え1歳、翌日の元日には数え2歳になります。生後1日で2歳というのが数え年の世界です。

満年齢に切り替えるための法律があった

日本がふだん満年齢を使っているのは、そう決めた法律があるからです。「年齢のとなえ方に関する法律」(昭和24年法律第96号)という、2項だけの短い法律です。

① この法律施行の日以後、国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治三十五年法律第五十号)の規定により算定した年数(一年に達しないときは、月数)によつてこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない。

② この法律施行の日以後、国又は地方公共団体の機関が年齢を言い表わす場合においては、当該機関は、前項に規定する年数又は月数によつてこれを言い表わさなければならない。

施行は昭和25年(1950年)1月1日です。読んでみると、なかなか独特な条文であることがわかります。

国民には「心がけなければならない」

1項が国民に求めているのは「心がけなければならない」——つまり努力義務です。罰則はありません。数え年を使ったからといって違法になるわけではなく、実際に今も慣習として残っているのはそのためです。

一方、2項で国や地方公共団体には「言い表わさなければならない」と義務づけています。公的な場面ではきちんと満年齢を使う、という切り分けです。さらに2項には但し書きがあり、やむを得ず数え年を使う場合はその旨を明示しなければならないとされています。

附則では、政府に対して「国民一般がこの法律の趣旨を理解し、且つ、これを励行するよう特に積極的な指導を行わなければならない」とまで定めています。法律で年齢の言い方を変えようとした、かなり踏み込んだ内容です。

「1年に達しないときは月数」

条文にさりげなく書かれている「一年に達しないときは、月数」という部分にも注目してみてください。

赤ちゃんの年齢を「生後3か月」のように月数で言い表すのは、単なる習慣ではなく、この法律が示している言い方でもあります。

いま数え年が使われる場面

満年齢が基本になった現在でも、次のような場面では数え年が使われることがあります。

  • 七五三
  • 厄年
  • 年忌法要(三回忌以降は、亡くなった年を1回目として数える)

いずれも地域・神社・寺院によって扱いが異なります。七五三は現在では満年齢で行う家庭も多く、どちらでも構わないとしている神社もあります。厄年も数え年が一般的とされますが、案内に「満年齢で」と書かれていることもあります。

迷ったときは数え年と満年齢の両方を確認したうえで、その神社・寺院の案内に従うのが確実です。

還暦は満60歳

数え年と混同されやすいのが還暦です。

還暦は干支(十干十二支)が60年で一巡し、生まれた年と同じ干支に戻ることを指します。一巡するのに60年かかるので、満60歳が還暦です。数え年では61歳にあたります。

長寿の祝いには古希(70歳)・喜寿(77歳)などもあり、伝統的には数え年で祝うものとされてきましたが、現在は満年齢で祝うことも一般的になっています。

干支の仕組みについては干支(十二支)の順番と由来で詳しく解説しています。

法律上の年齢は、実はもう1つある

ここまで「満年齢」と書いてきたのは、誕生日当日に1つ増えるという日常的な数え方です。

ただし法律上の年齢はこれとも微妙に異なり、厳密には誕生日の前日に1つ増える扱いになります。学年の区切りのように、このわずか1日の違いが結果を大きく左右する場面もあります。仕組みと具体例はなぜ年齢は「誕生日の前日」に増えるのかをご覧ください。

まとめ

  • 数え年は生まれた時点で1歳元日に全員が1つ増える数え方
  • 満年齢との差は、その年の誕生日を迎える前なら**+2**、迎えた後なら**+1**
  • 日本が満年齢に切り替えたのは「年齢のとなえ方に関する法律」(昭和25年1月1日施行)による。ただし国民に対しては努力義務で、罰則はない
  • 七五三・厄年・年忌法要では今も数え年が使われることがあるが、地域や社寺によって扱いが違う
  • 還暦は干支が一巡する満60歳(数え年では61歳)

満年齢や生年月日からの経過期間はぱぱっと年齢計算で確認できます(このツールが表示するのは満年齢です)。

なお、七五三・厄年・年忌法要の数え方は地域や宗派によって異なります。この記事は一般的な整理ですので、実際の行事については該当する神社・寺院にご確認ください。